設計開発者・白石健一の事例
スイッチング電源の設計・開発部門に配属されて最初の仕事は、改良中の電源の“波形をとる”ことだった。「その仕事を通じてオシロスコープの使い方に習熟し、様々なデバイスの動作を理解することができ、電子部品への理解が深まりました。」
■開発プロジェクトに参加
入社2年目に開発部門内で、アミューズメント施設向けの電源開発プロジェクトが立ち上がり、白石もその一員となった。5人で4モデルを開発するプロジェクトだ。そこで開発する電源には、ノイズの影響を外に与えず、また外からも影響を受けないクラスBという厳しい規格が求められた。しかもピーク時には定格電流の2倍の耐性が必要となる製品だった。プロジェクトリーダーのもと、営業・生産・技術が一同に集まるデザインレビューが開かれ、開発がスタートした。
■あちらが立てばこちらが立たず…試行錯誤の連続
白石は、ある1つの製品の試作を任された。「まず回路図を書き起こし、指定サイズへの収まりを考えながら製作します。私の場合、初めての開発だったので、原型となるモデルに改良を加えることからスタートしました。」性能自体を上げることはそれほど困難ではなかったが、ノイズや熱が発生し、1つの問題を押さえ込むと別の問題が発生するというモグラ叩き状態に対処しなければならず、性能をトータルに整合させるのは至難の技であった。「試行錯誤の過程では、先輩がサポートしてくれますが、最初から何でも教えてくれるのではなく、自分自身でやってみて確かめるように指導されます。失敗することもありますが、失敗を通じで得たものは血となり肉となっています。」
■まずマーケットありき、そして生産まで考えて設計
学生時代の想像と大きく違っていたのは、図面を書くだけでは仕事は終わらないという点だ。プロジェクトでの仕事も、まずマーケットありきで計画がスタートし、試作が終わると今度は海外工場へ出張、海外生産部門との綿密な打ち合わせを体験した。「例えば、図面で横置きにした部品が縦にしたほうがスムースに生産できることが判り、対策を講じました。製造のしやすさはコストに反映します。技術者は生産段階まで考えた設計ができないといけないのです。それができる技術者になることが次の目標です。」
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